ご存じでしたか?アイルランドに伝わる「海藻風呂」
現代では、健康志向の高まりに合わせて、世界中で様々な商品やサービスが生まれています。中でも、フコイダンなどが豊富な「海藻」は、そのヌメリや成分が肌や髪にも良いと人気があり、ヨーロッパでは”海藻スパ”もあるそうです。
海藻を入浴剤として利用する風習は、アイルランドの一部地域では実際に伝えられています。元々は、北西部に住む漁師たちが、疲労回復や筋肉疲労のために、何世紀も前から伝統療法として、始めたそうです。この地で採れるワカメは特に上質で、海水を沸かした熱いお風呂に海藻を入れると、時間が経つにつれてエキスがしみ出て、褐色に変化します。この湯がリウマチにも良いと評判で、肉体労働者以外にも、遠方からお年寄りが訪れていたようです。
入浴方法の工夫が、疲労回復を早める
このような「入浴」の力、間もなくGWを迎え、楽しいながらもクタクタになりそうな私たちも、しっかり生かしたい所です。観光や外出は精神的な疲労の解消に繋がりますが、逆に肉体的な疲労をためて体を痛めてしまっては本末転倒です。フコイダンのような機能成分の摂取を気にかけるだけでなく、睡眠、入浴、食事そして疲労回復期の軽い運動に工夫を凝らすことが、疲労回復を早める秘訣です。入浴すると、体が温められ、血行が良くなります。血行が良くなると、体内で酸素と栄養分の供給・老廃物と二酸化炭素の排出が円滑に行われ、筋肉の疲労や凝りを緩和します。半身浴(下半身だけが湯船につかる状態で入浴)は疲労回復に有効な入浴法です。下半身を暖め、上半身で発汗を促す効果があり、さらに、体にかかる水圧も小さいので、心臓にも負担をかけません。
「温冷交互欲」は効果的だが、体調にご注意を!
温冷交互浴も、効果的な入浴法です。お風呂で3分程度体を温めた後、冷たい水(温度差は30度くらい)で手、足、または筋肉痛を感じる部分を10秒ほど冷やします。これを3~4回繰り返すと、血管が伸縮して血行が良くなるため、疲労回復が早まります。
入浴には注意すべき点もあります。入浴は、かなりの体力を使います。湯あたりしないよう、極端に熱い湯につかったり、長時間入浴したりすることは慎しむべきです。発汗で失われた水分の補給もお忘れなく。また、入浴直後に血圧が上昇し、その後低下していく、という激しい変化を引き起こすため、高血圧・低血圧の方は、特に注意が必要です。
入浴で、日々のストレスを癒しましょう
まだまだ、花冷えの季節。かけ湯をしたり、脱衣所・浴室を保温するなどの工夫をし、急激な温度変化が起こらないよう注意しましょう。また、温冷交互浴は、血圧が高い方、心臓、肝臓など内臓に持病がある方、体調の思わしくない時は控えたほうが良いです。フコイダンを愛飲されている方は、特にご高齢の方が多いので注意が必要です。
とはいえ、お湯にゆっくりとつかると、心のストレス解消にも役立ちます。心身の健康を維持し、萌黄色の季節を満喫しましょう。