気温・温度の急激な変化で起こる「気象病」
気象は、こころとからだ、さらには動植物にも大きな影響を与えています。特に日本では四季の影響もあり、様々な変化がからだのいたるところに現れます。それらの病気を「気象病」や「季節病」といいます。気象病は前線の通過により、急激な気圧と気温と湿度の変化で生じます。主な病気としては、これまでお話してきた梅雨の関節痛、暑い日の熱中症、寒い日の風邪などがあります。
季節病はより長期的な天候の変動によって引き起こされ、基礎代謝や自律神経が大きく狂うことで生じます。例えば狭心症や脳卒中などの循環器疾患は、特に冬季の高温多湿の日に多く発生しているので注意が必要です。このように様々な気象が無意識のストレスとしてからだに負荷をかけ続けているのです。
雨の日に関節痛が気になりませんか?
自覚しにくい気圧の変化に からだは反応
例えば気象の中でも自覚しにくい気圧の変化にも、からだは敏感に反応しています。気圧とは空気の重さであり、気温や標高が高くなると低気圧になり、逆に気温や標高が低くなると高気圧になります。からだは、高気圧になると自律神経が活発になりストレスに対抗するための反応が起こり、低気圧になると自律神経が不活発になり休息をとるための反応が起こることがわかっています。
気圧といえば、飛行機による体調の変化があります。飛行機に乗っているとき耳が痛くなる経験をした人は多いのではないでしょうか。飛行機内の気圧は離陸後から徐々に下がり高度1万メートルでは0.8気圧になります。このため健康な方でも耳鳴りを起こす方がでるのです。また気圧の変化に敏感な幼児の場合には、離着陸時に交感神経が過剰に亢進され泣き出すことが多いのです。
過去最高の猛暑の可能性も・・・。体調管理にご注意を!
人間は何世代にも渡って同じ地域に暮らすことで、少しずつ環境に順応していっています。一例として日本人は降水量の多い地域で暮らしてきたこともあってか、多湿の不快な環境に対してアメリカ人よりも耐えられるという報告があります。四季は民族の文化だけでなく、生物学的な「体質」といったものまで育んできたのかもしれません。
今年の夏はラニーニャ現象が発生し、専門家によれば過去最高の猛暑を記録する可能性もあるとのことです。いつも以上に夏バテ対策に気をつけて、家族皆さまで健康にお過ごしください。