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健康コラム

LED

第四世代の明かり、LED

明かりの歴史は、紀元前に発明された火を長時間灯すことができるろうそくから始まります。いわゆる第一世代の明かりであるろうそくの時代は、19世紀にエジソンによって白熱電球が発明されるまで続きました。最初の白熱電球は京都産の真竹を原料にしており、フィラメントを電気で加熱することで発光しました。白熱電球が第二世代の明かり、20世紀に発明された蛍光灯は第三世代の明かりとされています。蛍光灯はガラス管内の水銀蒸気に放電して生じた紫外線を蛍光体で様々な可視光線に変換することで明かりを生じます。そして21世紀に普及したLEDは第四世代の明かりと呼ばれるようになりました。

                                                                                                                  

 

 

青色LEDの発明で進んだ低コスト化

LEDの起源は1906年に英国の科学者が、炭化ケイ素に電流を流すと黄色く発光することを確認したことだとされています。1962年には、ゼネラル・エレクトリック社のニック・ホロニアック氏が赤色LEDを発明し、「LED発明の父」と呼ばれました。LEDで白色やフルカラーを発光させるには青色LEDが必要です。この青色LEDの開発には多くの日本人が貢献しました。1985年に赤崎勇氏と天野浩氏が青色LEDに必要な窒化ガリウムの単結晶化に成功しました。次に中村修二氏によって高輝度青色LEDの量産技術が1993年に開発されました。さらに2004年には東北大学の川崎雅司氏らが酸化亜鉛を用いた青色LEDを開発し低コスト化が進みました。

 

LEDの問題と効用

現在は、照明のLEDへの置き換えで生じた問題点について、様々な研究がされています。LEDで色が蛍光灯と違って見える現象については、医療分野において手術中の患部の色と影を正しく見えるように調節した照明が開発されています。また紫外線ランプについては代替するLEDが開発され、殺菌灯などとして空気清浄機やエアコン、インクの硬化光源としてプリンターなどに利用範囲が広がっています。農林水産業の分野では、植物工場や魚の養殖でLEDの利用が進み、さらにイカ釣り漁船やキノコ生産への応用が研究されています。例えば、従来光が不要と考えられていたナメコやブナシメジにおいて、LED照射により収量や生育期間の短縮が報告されています。

 

あらゆる分野で利用が進むLED

懸念されているLEDのブルーライトについては調査が進み、エネルギーとしては屋外の太陽光の方がLEDよりも強いことが分かり、長時間直視しなければ影響は出ないとされています。ただし新型コロナによる外出自粛の影響でスマホやPCを見る時間は長くなっていますので、目の疲れには配慮しましょう。

今後もあらゆる分野で利用が進むLED。思わぬところで影響が出てくることでしょうが、「明かり」であることに違いはありません。日々を照らす道具として生活の中できちんと使っていきたいものです。