つい掻こうとするその指、ちょっと待って!
初夏を迎え、平均気温や湿度が上がると、小児を中心に流行する病があります。とびひ(飛び火)です。
とびひは正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)という皮膚の細菌感染症です。水ぶくれやかさぶたができ、火が飛ぶように広がっていくことから、この名が付いたと言われています。
とびひは皮膚にできた傷、例えば虫刺され、あせも、アトピー性皮膚炎などを掻いた傷に細菌が感染することで発症します。この細菌は通常皮膚などにもいる黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌(溶レン菌)などです。
梅雨を迎える前に “清潔な体”で対策しましょう!
症状は主に2種類あり、一つは水ぶくれができるタイプ。これは主に黄色ブドウ球菌が原因で、夏期の子供に多く見られ、目・鼻・口の周りから広がっていきます。もう一つはかさぶたなどの症状があるタイプです。こちらは溶血性レンサ球菌が原因で、季節・年齢に関係なく、全身に発症します。
いずれの場合でも、水ぶくれやかさぶたの内容物には細菌や毒素があり、周りの部位や他の人に広がらないように気を付け、お風呂も湯船よりシャワーの方がよいでしょう。治療は抗生物質などの飲み薬と塗り薬が中心になります。時には黄色ブドウ球菌などが耐性を得て多剤耐性菌に変化することもあるので、医師の指示通りに薬の服用期間等をキチンと守ることが重要です。
また、これらは食中毒の原因菌でもあります。爪を切り、皮膚を清潔に保って、梅雨に向けた健康対策をしておきましょう。